【このすば】『この素晴らしい世界に祝福を！』第３話「この右手にお宝を！」

ポンコツ地雷女３号

「見られている……っ！むくつけき男たちが私の肌を見て興奮している！」

宴会芸の習得に精を出す駄女神のアークプリーストに、
１日1発しか爆裂魔法を撃てない残念なアークウィザード、幸運だけが取り柄の自分……。
そんなダメダメなパーティが編成されつつあることに失望を覚えるカズマ。
失望感冷めやまぬところにパーティ入りを熱望してきたのは、力と耐久力はあるが、
攻撃がまったく当たらないと自負するクルセイダーのダクネスだった。
粘液まみれのドロドロになるような辱めを「私も…！」と望むドＭっぷり。
「こいつも性能だけでなく中身までダメな系」と悟ったカズマは、
ダクネスの加入を阻止したいと願うのだが……。

前回のラストから登場したダクネスさま回。

不器用で攻撃があたらないけど盾代わりに使って欲しい、みたいなことを言うが、だったらクルセーダー辞めて転職しろよ、と視聴者から総ツッコミされたであろうことは想像に固くない。

さて、ヒキニートのくせに、ポンコツ地雷女を嗅ぎ分ける能力は高いカズマ。なんとかダクネスさまの加入を阻止しようとするが女心がぜんぜんわかってない、というか、こんなポンコツ地雷女たちの心理なんてそーそー理解できるわけもなく、ずるずるとパーティ結成へと流されてしまう。

とりあえず加入の結論は先延ばしにして、ダクネスの友人クリスから盗賊スキルを習うことにするカズマ。ところでスキルの習得とDNAって何の関係があるの？まあある種のチートだからわかりやすく表現したかったんだろうけど、スキルがDNAに染みこんでいくわけねーじゃん。とまれ、無事盗賊スキルを獲得したカズマだったがそれはパンティーを盗ることしかできないポンコツスキルであった。本来はターゲットの所有するものからランダムに盗めるというが、カズマはパンティーしか盗れないようで、めぐみんもその被害者となる。しかしクリスが白でめぐみんが黒、という本来は逆だろ的なオチは面白かった。

盗賊クリスが白。

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めぐみんは黒。

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鬼畜カズマの誕生である。

キャベツを収穫せよ！

キャベツ収穫、という新しいミッションでダクネスの見せ場がやってくる。キャベツアタックにさらされるのだが確かに壁になる能力は高い。でも、むくつけき男たちの視線を勝手に妄想して感じるさまはドM以外のなにものでもない。

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ところで、キャベツのC.V.は金田朋子センセーでしたね。どうもありがとうございました。

アンチテーゼ

『このすば』はアンチテーゼでできている。

例えばアンチハーレムもの。『このすば』も一見するとハーレムものに見えるが実際はまったくハーレムものではない。カズマはヒキニートだったせいで、自分はモテるはずがないとでも思っているのか、女性に対して一歩も二歩も引いて接しているし、かなり冷めた目で女性を見ているのがわかる。むしろ周りに集まるポンコツ地雷女たちを迷惑に思っているふしさえある。これでは恋愛には発展しないしハーレム足りえない。しかしそれが逆に効果的だ。

『このすば』には「異世界生活に必要なのは、大冒険......なんかじゃない！！」というキャッチコピーがつけられているが、それは、こう変えることもできる。「異世界生活に必要なのは、ラブロマンス（ハーレム）......なんかじゃない！！」と。視聴者からすると、三人もの可愛い女の子とパーティを組めるカズマの境遇はめちゃくちゃうらやましく見える。しかしカズマはそれを恵まれているとは思わない。彼我の温度差の違い。そこに作品の魅力が生じる。

『このすば』はアニメの世界にはびこるお約束をことごとく否定するアンチテーゼとしても興味深い作品であると、この例からもわかるだろう。

第四話につづく。

いじょ。

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１．この素晴らしい世界に祝福を！　あぁ、駄女神さま (角川スニーカー文庫)