すうさいどみっしょん

A suicide mission is a task which is so dangerous for the people involved that they are not expected to survive.

『orange』 1話感想 ズルしてホームラン打っても後悔しないキチガイ主人公にどん引き


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ねえ、どこに投げられるかわかってて打てたホームランの、何が嬉しいの?

 

まともに育てられた人間だったら、チートして勝っても嬉しくないし、ズルしたことの方が何より後悔するだろ?

 

 

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ノイタミナっぽいね。

 

うん、ノイタミナっぽい。

 

高校2年生の春、菜穂に届いた「手紙」。
その差出人は、10年後の自分だった。

初めはイタズラかと思ったが、
書かれていることが次々と現実に起こり、
「手紙」がこれから起こることを綴っていると知る。

転校生の翔を好きになること。
そして、17歳の冬に翔が亡くなってしまうこと。

翔を失った〈26歳の菜穂〉の
後悔と願いを知った〈16歳の菜穂〉ができることとは?

 

ずっと後悔し続けてきた〈26歳の菜穂〉を変えたのは一体何だったんだろう?

 

LETTER01

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人は忘れる生き物だ。だから辛い過去も乗り越えることができる。いつまでも過去に引きずられている人間というのは、やはりどこか異常であるとしか思わない。ソフトボールの試合で代打を引き受けなかったことに後悔していると〈26歳の菜穂〉は言う。ちっぽけな後悔を約10年間も引きずっている菜穂というキャラクターの異常性は、青春恋愛群像劇+タイムリープ作品では大した問題ではないのだろう。

 

翔の死なない未来を作る

第一の選択に失敗してしまったのでもうその未来はない。「絶対に」とまで書かれていたのに、それを守れなかったんだから、可能性は消えたはず。ということで、おそらくいまの16歳の菜穂は26歳まで後悔していたことのいくつかを消すことはできるが、翔が死ぬ未来は変えられない。そしていまの16歳の菜穂が26歳になってまた16歳の菜穂に手紙を送り、翔の死を消すのだ。一回目のチャレンジは失敗し、二回目で成功するのだ。そうでなくてはタイムリープものじゃない。

 

ゆるゆるなざる設定

手紙を読み始めるとそこに書かれていることが現実に起き、菜穂は驚くも手紙を最後まで読むことはしない。うーん、これはあり得ないだろ?最後まで読ませちゃうと話を先送りできなくなってしまうからそうしなかったんだろうけど、かなり設定がざるだと思った。

 

これだったら後悔する出来事が起きる直前になると毎回一通手紙が届く、というように改変した方が良い。

 

次。

 

ソフトボールの試合で代打ホームランを放ち、過去の出来事を変えてしまった菜穂。この時点で、過去の自分へ手紙を出した〈26歳の菜穂〉の世界線と、手紙に従って過去を改変した16歳の菜穂の世界線はずれたはずなんだけど、その説明はおいおいしてくれるんだろうか?それとも翔の存在しない〈26歳の菜穂〉の世界線と翔の存在する16歳の菜穂の世界線を平行世界のようにして同時進行して描くのだろうか?

 

とりあえず、過去を改変した以上、〈26歳の菜穂〉の世界はそのまま消滅するのがタイムリープの帰結の一つであり、そこはおろそかにすべきではない。過去の選択を変えるごとに別の世界線へ移動しないのなら、タイムリープを使ってはいけない。

 

それと、この記事冒頭に強調して書いたけど、「1球目カーブ。2球目ストレート内角低め」と未来の手紙に書かれた配球に従い、菜穂はホームランを打ってチームを勝利へと導くけど、それってチートだよね?まともに育てられた人間なら、ズルしてホームラン打ったことを後悔し続けると思う。元ソフト部なんだからちゃんと実力で打たすべきシーンであった。「私にも打てる球」だけ書いておけば十分。

 

しかし未来の菜穂、手紙書くの下手すぎだなっ!!

 

設定は穴だらけでゆるゆるだけど恋愛ドラマなんで大目に見てください、というエクスキューズが製作側から出されないとおかしいくらいのざる設定。

 

ただ名作BKTFでもおかしな矛盾があるので、些末な点を気にさせないくらい面白いなら特に問題はない。もちろんBKTFの域に達するのは不可能だと思うが・・・。

 

 

蛇足

原作は、昨年実写化され30億を超える予想外の大ヒットを記録した。しかし原作者の意図とは違う作品に仕上がってしまったらしく、原作者が「実写版は見ない」とまでツイッターで宣言しアカウント削除、の流れで一時騒動に発展した。ぼくは基本的に実写版には興味が無いので、当時は、あー炎上してんなー、くらにしか思っていなかったし、どーでも良かったけど、今回のアニメ化では原作者本人が結構ウキウキウォッチングしているようなので、先ずは一安心。

 

 

※プライム会員の方は『orange』シーズン1を¥0でご覧いただけます