あらすじ
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。 ©IDDU/ID : INVADED Society
はじめのかんそう
『セブン』とか『羊たちの沈黙』とかを観たことのない世代が増えてきているそうです。
脚本・舞城王太郎の名前を観た瞬間、おっ、となった。『ディスコ探偵水曜日』は夢中で読んだからだ。面白かったかと言えばまあ微妙ではあったものの読み応えだけはあったことを記憶している。当時は、あ、最後SFに逃げた、と思ったが、2020年になってそれが芽吹いたのであれば、舞城王太郎はこのためにあれを書かなければならなかったのかもしれない。
とても素晴らしい探偵モノが始まりました。
2話:JIGSAWED Ⅱ
3話:SNAPED
「カエルちゃん」を救うために、何度も死にもどりするのは、リゼロ、シュタゲっぽい。
独房の囚人を、言葉だけで殺すのは、まさに『羊たちの沈黙』のレクター博士であった。
第2話も45分使って描いて欲しかった、と思ってしまう。説明少なめなのはとても素晴らしいのだけど、物足りなさを覚えるのは、作品が魅力的だからであろう。
4話:EXTENDED
われわれはいま、なにかすごいものを見せられているのではないだろうか?
衝撃のラスト。なんか既視感あるなと思っていたら、『24』シーズン8のハッサン大統領だった。すっきりした。
5話:FALLEN
すげえ。
本堂町くんと井波七星の会話がとにかくすごかった。噛み合っているようでいて噛み合っていない会話で観ている者の心をざわつかせ、BGMを投入し、クライマックスへ。
アナアキによって開けられた風通しの良い穴によって、名探偵として覚醒した本堂町くんと、Kiss&Killの意識が入れ替わってしまったハカホリの片割れカズタとの対比エピソードとしても優秀。
ジョンウォーカーの影響下にあるサイコパスたちによって連鎖する殺人事件、それを止めるために奔走する名探偵&助手(実際は助手じゃないけど)の物語は、鳴瓢の最後の事件(刑事として)につながっていくのであろう。本堂町くんがダークサイドに堕ちてしまう、後味の悪い結末を、実は楽しみにしていたりする。というか、もうこんなにすごい作品なら、ハッピーエンドとバッドエンドの両方用意してくれてもいいんだよ?
FALLENというタイトル通り、名探偵サカイドが空から落ちていく。上手く不時着した先には一軒家が孤立している。アナアキの影響下にある犯人ゆえ、風が強く吹いている。それを堰き止めて中へ入っていくサカイドの眼前にはカエルちゃん。飛び散った血を集めて丁寧に板を作成している。その下には、混乱した被害者の顔が入れ替わって表示される1人の人物が横たわっていた。