はじめに
はじめに
まるで映画のような、とても濃い第一部・完であった。
国を守るため、我が子を犠牲にする。現代では受け入れがたい感覚でも、戦国の世では何ら不思議はない。領民のために、兄を倒す決意をした多宝丸も間違ってはいない。そして母も・・・。
助六が死なず、最後に母と再会するシーンは、明らかに百鬼丸と母の関係への対比である。こんな安易な描写は手塚治虫作品には似つかわしくない。
今回の『どろろ』、オリジナル脚本になると、どうにも薄っぺらく、テンプレになってしまうので、何をやってるんだ小林靖子となる。おまえならもっとおれたちを絶望のどん底に叩き込めるだろ、と。ただ、多宝丸が片目を失っただけで済んだのは良かった。
総じて
濃密過ぎる20分だったし満足できるものであった。だからこそ、もう少し時間をかけて描いたらさらに良いものになったのでは、と過度の期待をしてしまった。
OPの「火炎」とEDの「さよならごっこ」が聴けるのも最後、という悲報。