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父殺しを完遂した美馬さま
○第十一話 美馬は、父親である現将軍・興匡と10年ぶりの再会を果たす。その裏で無名のヌエを準備しつつ。一方、生駒は自信と気力を失い、心が縮こまっていた。カバネを見ても怯えることしかできない生駒だが……。(C)カバネリ製作委員会
本来「父殺し」は主人公の役割なんだけど、『甲鉄城のカバネリ』 では美馬さまがそれを担っていた。もちろん裏の主人公としてふさわしい美馬さまだし、生駒と表裏一体の存在として見れば、正しくその役割を果たしたと言える。ただ美馬さまに関する物語があまりにも少なすぎたため、上手く機能していなかったように思う。カタルシスが足りない。
本来「父殺し」は大人になるための通過儀礼として描かれる。しかし美馬さまはすでに英雄と呼ばれるまでの存在に上りつめており、そこに至る過程で精神的な「父殺し」はすでに終えていた可能性が高い。美馬さまは、精神の一部は子供のままだったかもしれないが、基本的には自立した大人の男性として描かれていたので、「父殺し」が大人になるための通過儀礼として機能しなかったのだ。
美馬さまには、父親に裏切られ殺されかけた、という実体験がある。それゆえリアル「父殺し」は通過儀礼ではなく復讐、敵討ちとしての意味合いの方が強かった。
リアル「父殺し」を終えた美馬さまが燃え尽き症候群に陥ってしまったかのように見えたのは、もう倒すべき相手はこの世にいない、復讐とはなんとむなしいものなんだ、と気づいてしまったからかもしれない。
甲鉄城の人たちのストーリーと並行して、美馬さまの物語を毎回、少しずつでもいいから挟んでおくべきだった。つまりシリーズ構成の失敗と言える。もちろん全12話という少なさでは主人公と裏の主人公に割ける時間は限られてしまう。やはり2クール必須の作品であった。
何にせよ、最終話で全てを無理やりまとめるよりも、2期とか劇場版をふまえ、次につなげるラストにして欲しいと思う。
もうガンダムには乗らない
えっと、次回最終話なんですけど?
唐突だった生駒の「ガンダム乗らない」宣言。しかし薄っぺらい脚本だったのであっという間に心変わりし、最後には髪を切ってまで決意表明を見せつけていました。
しかし坊主にしないでおしゃれ短髪とは、腐女子の心を鷲掴みだなっ!!