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禁酒法時代―。法は力を持たず、街はマフィアに支配されていた。
舞台は密造酒の闇取引でにぎわいを見せる街・ローレス。
その街に時を経て降り立つ、アヴィリオ。
彼は、かつてこの地でマフィアの抗争により、家族を殺された男。
ある日アヴィリオのもとに謎の人物から一通の手紙が届く。その手紙をきっかけに彼は復讐の火を灯し、ローレスへ舞い戻る。そして仇であるヴァネッティファ ミリーに侵入し、復讐を果たすためドン・ヴァネッティの息子ネロに近づく。
殺しが殺しを呼び、復讐は新たな復讐へと連鎖する。
哀しき運命に導かれた男たちの91日間の物語の結末とは…?
監督・鏑木ひろ氏によると、「色々なマフィア映画からパク…多種多様なインスパイアを受け」とのこと。
1話を観て、ゴッドファーザーなどの叙事詩的マフィア映画が好きな人はかなり楽しめる作品だと思った。最近はハリウッドでも、マフィア映画が少なくなっているので海外アニメファンにもかなりウケるような気がする。
ところで禁酒法と言えばこれ。
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※『91Days』中盤までには『アンタッチャブル』は絶対観ておいた方がいい。
ベタをやりきる
クローゼットに子供が隠れたらハリウッドでは両親が殺されるフラグなんだけど、そんなベタ展開を堂々とやってのけていた。変にメタなことをやるより、ベタはベタでやりぬくのが、どんな作品でも大事。ベタっていうのは基本だから、ベタが上手くできないならメタはやっちゃいけないんだよね。このことは、ピカソは抽象画だけでなく具象画も上手い、という話に通じている。
ワンフレーズで多くを語る
「91days」第1話、放送であらためて見て、ヴィンセントが母子を殺して、「チッ、何か拭くもんあっか?」というセリフが作品世界にものすごく実感の重みを与えている気がした。おいらじゃなくて監督が入れたセリフなんだけどね……。
— 岸本卓 (@inokoriinosan) July 11, 2016
脚本家・岸本さんによるこのツイートで想起したのは、映画などで殺人者が返り血を浴びて「あーあ、汚れちまったよ。」という台詞を吐くシーンだった。人殺しをしながらも自分の服などの汚れを気にする冷酷さを表現する手段としてよく使われる。ピカピカの靴に血痕が一滴付いてしまったことに激昂する、という演出もある。
このように、たったのワンフレーズでも多くを語ることはできる。説明を省き、画や短い台詞で多くを語らせることは、ドラマを描く上ではすごく重要だ。その点でも『91Days』は素晴らしい。
また、ちょっとした台詞からも、監督のこだわりが見えてくるのはすごく良い。
実写ドラマを超える
【掲載情報】現在発売中の「PASH!」8月号にて、プロデューサーインタビュー記事が掲載。今回の見出しは、「極力アニメっぽい要素を排除して“ドラマを観せる”」ですです。記事が気になる方は、是非お手元に。宣伝51 #91デイズ pic.twitter.com/M10HK9RmbD
— 91Days (@TV91Days) July 14, 2016
プロデューサーによる、「極力アニメっぽい要素を排除して“ドラマを観せる”」というのは、このアニメで実写ドラマを超える、という決意だと思う。いま、日本ではドラマよりもアニメの方がドラマドラマしているものが増えているが、世界を舞台にして戦えるのがアニメしかないということを考えると当然だろう。『91Days』がハリウッドで実写化、なんてことも夢ではないのだ。
1話雑感
拳銃の残煙が足りない。
機関銃は派手に登場したけど、拳銃はまだ冒頭の殺害シーンくらいであった。その代わりナイフが使用されていたが、ナイフ、というのは直に相手を刺し殺す武器であるため、マフィアが使うのはちょっと違うような気がする。ナイフは残酷、冷酷過ぎる、という共通認識のようなものが彼らにはあるように思う。もちろんだからこそ拳銃を多用するのがマフィアと言える。殺し屋であればナイフを使っても良い。
しかしヴァネッティたちが拳銃を持っていないってのは不思議だった。敵の急襲を受け、アヴィリオとコルテオの奇策に助けられて酒場を逃げ出す、というのはマフィアとしてどうなんだ?、と。特にネロは、ヴァネッティファミリーの二代目、ということで狙われているから変装していたんだろうし、拳銃は持っていてしかるべき。
今後、もうちょっとかっこ良く拳銃が使われるシーンが増えてくれたら嬉しい。
悲しき友情と予測されうる未来
アヴィリオ&コルテオが、一緒に修羅場をくぐり抜けたのがアヴィリオ積年の復讐相手であるヴァネッティの息子ネロであったということから、悲しい友情が育まれていく未来がある。敵のファミリーへ潜り込み、果たしてアヴィリオがどこまで冷酷になれるかというのはストーリー展開上気になるところ。お坊ちゃまゆえの育ちの良さで、ネロやヴァンノへ情が移ってしまい、復讐の炎が揺らいでしまう可能性は否定できない。今後はおそらくそうした人間ドラマが、ゴッドファーザー愛のテーマにのって描かれていくのだろう。非常に楽しみである。
いじょ。
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