昭和元禄落語心中(2) 昭和元禄落語心中(3) 昭和元禄落語心中(4)
昭和元禄落語心中(5) 昭和元禄落語心中(6) 昭和元禄落語心中(7)
音楽がうるさい。
このアニメの評価が高いらしいけど、それはきっと落語への同情からだろう。衰退しつつある日本文化に対する憐れみみたいなものかもしれない。いまこの時期に落語をアニメ化することへの評価であり、けっして中身への評価ではないと思う。また、日本文化を評価できる俺すげえ、と酔いたい人々がいるのだろう。そうした甘やかしが却って落語を衰退させることになるのだが・・・。
山寺宏一の落語、元気なだけでさっぱり上手くない。落語は難しいよ。ただ台詞を読んだだけでは、いくら声優が演技をしていても、落語にはならない。かと言って本職の落語家が声を担当したところで落語にはならない。その難しさが浮き彫りになっていた。
さて第二話。
途端につまらなくなった。
八雲と助六の物語は、与太郎の話に色を添える程度で良い。第一話が面白かったのは、与太郎をメインとし、伏線を邪魔にならないよう散りばめていたからだ。その伏線を、メインに持ってくるのはもう少し師匠と与太郎の関係を描いた後で良い。
第一話が勢いと力技、それがテンポの良さを生み出し面白い「出来心」となった。しかし、第二話ではその勢いを殺ぐかのような八雲と助六の成長物語を一瞬で描き、退屈極まりない出来になってしまった。
また、退屈な落語、元気な落語を、音楽を使ってわかりやすく区別できるように表現していたが、それは単に視聴者を甘やかしているだけ。
面白い落語には耳を奪われる。この作品にそれはない。
いじょ。