6点☆☆☆☆☆☆
逆シャアかよ・・・。
最終話、母を超える通過儀礼はとても良かったんだけど、最終決戦の前に終わらせておくべきだった。構成の失敗。
母離れを経て、最後の敵へ挑むことこそ、この作品では特に重要であった。なぜならカナミは夢の中で若い頃の母親を師匠と仰ぎ、その剣技を、無意識に継いでいたから。なぜなら胎動編終わりで、ゆかり様 featuring.タギツヒメに勝利したのも、母親みなとが憑依したから。
胎動編のラスボスを母親が倒したなら、波瀾編のラスボスは母離れを経て成長したかなみが倒すべきだったのだ。
死を描けない軟弱なクリエイターたち
メインキャラは殺すな、とスポンサーに言われたとか、そんな大人の事情があるのかもしれない。しかし、あれだけのメインキャラを登場させていおいて、誰一人死んでない。
最終決戦を前に、これから死にに行く、という緊張感が全くなかったのも敗因だろう。どうせみんな死なないんでしょ?と誰もが思っていたはずだ。死闘でもなんでもない。彼女らはただ剣技を披露しただけ。ノロとの戦いってそんなしょぼいもんだったのかよ、という思いしかない。
喰霊のように初回でメインキャラと思われる人たちを全員殉職させろとは言わないが、こちら側にも犠牲者がでないとストーリーに重みは出ない。
カナミとヒヨリのママンが戦闘で死んでいたら、「継ぐ」意味ももっと大きかったように思う。カナミは母を知らずに成長するが、夢の中で出会う師匠(実は母親だがそれとは気づかない。)に剣技を習い、一人前の刀使となる。そしてゆかり様 featuring.タギツヒメとの戦いにおいて、その師匠が実は自分の母親であったことを、戦いを通して理解する。そういう描写があれば、継ぐ、意味をもっと重く表現できただろう。現実にはほぼ接点のない二人が、夢の中から戦いを通して、つながる。それこそ、真の継承、だ。そういう意味で、カナミママンはカナミと引き換えに命を失っていた設定の方が良い。
ダリフラもそうだが、とにかく死を描けない、描かない?、そんなクリエイターたちが増えたような気がする。大事な人の死を乗り越えることも、主人公たちが成長する上でとても重要な通過儀礼である。特に戦いを描く作品であればなおさらだ。『天元突破グレンラガン』がなぜ名作なのか、死を描けない軟弱なクリエイターたちはもう一回考え直すべきだ。
御大のように、どんどんキャラ殺しちゃうよー、というのもキツイけどな・・・。
ああこんな方もいらっしゃいましたね。でも結芽はあちら側ですから。
1対1で戦わないのはヒロインではないし卑怯
かわいいキャラ多くしてよ、というスポンサーの意向なのかどうか知らんけど、そのせいで彼女らはヒーロー、ヒロインにはなれなかった。
なぜなら1対1で戦わないから。
タギツヒメに対し、多人数で襲いかかるのはおよそヒロインの行動ではない。とても卑怯だ。
剣技を使うのだから、剣道のように1対1で次々と立ち向かうべきだった。一人敗れたら次、というように順番に立ち向かっていったら、各キャラの剣技、刀にまつわるストーリーもふくらませることはできただろう。
彼女らの卑怯な戦いっぷりは、剣技を見せたいというクリエイターたちの自己満足の犠牲だ。ただのちゃんばらごっこと何も変わらない。はっきり言って、彼女らの剣技はよく描けていたが、それをちゃんばらごっこに貶めてしまっていたのは、本当に残念に思う。
ま、『アヴェンジャーズ』より『ダークナイト』が好きということで。
TVアニメ「 刀使ノ巫女 」後期オープニングテーマ「 進化系Colors 」
- アーティスト: 衛藤可奈美(CV:本渡楓),十条姫和(CV:大西沙織),柳瀬舞衣(CV:和氣あず未),糸見沙耶香(CV:木野日菜),益子薫(CV:松田利冴),古波蔵エレン(CV:鈴木絵理),本渡楓,大西沙織,和氣あず未,木野日菜,松田利冴,鈴木絵理
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2018/05/23
- メディア: CD